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2004年02月16日

第055号 「真理は2つ」

設計・デザインしていて、施主さんにあまり言わない、一番深い悩みは、与えられた設計条件に対して
このプランが本当に最上だろうか?
他にもっといい案があるのでは?
と言う自問自答です。

私は高校の頃、高専(工業高等専門学校)という受験用の高校教育からは、やや外れる教育制度の中で教育を受けた。

高校受験前の「肝試し」のつもりが、思いがけず何十倍もの倍率の試験に受かってしまい、「学校ノ名誉ダ」なんて校長先生にも言われて、ツイ入ってしまったのですが、
建築の専門教育と一般教育の5年制の一貫教育で、それはソレデ結構楽しい学生生活でした。
私は一般の教育制度の人より5年も早く、多感な15才から建築に慣れ親しんだ事が、今思うと、とてもラッキーだったと思っている。

一般教育も、新しい教育制度でかつ第一回生だったせいか、文部省の定める「枠」も無かったようで、どの先生も若く意気に燃え、楽しそうに授業をやって頂いた。
中でも数学の授業時間が大変多く、受験数学ではないので、先生も張り切って、今思うとトンデモナイ高度な教育を受けていた気がする。

・・・建築の夢に目覚めて、高専を中退して大学を目指した訳ですが、浪人中に模擬試験の問題を、高校教育ではやってない微分方程式で解いて、物議を醸し出した事もあった。
・・・「答エハ合ッテイルガ、試験デハ誤リデス」と言われましたが?
小学校のツルカメ算を、方程式で解いたようなもんですから、ヤッパリ反則か?

先生が熱心ですから、生徒がその授業を嫌いになる訳が無く、私は心から数学が好きになり、先生にお願いしてアメリカの数学の教科書を買って、問題を解いたり、毎週末は難問を解く事に、ゲームのように夢中になり、数学者を夢見た時期もあった・・・

ソンナ頃、もう昔の事ですから、どんな授業のどんな問題かは、記憶は定かでないが、今でも強烈に思い出す事は、「1つの方程式から、2つの答えが出る!」問題に、遭遇した事です。

「数学は真理の探究、真理は1つ」とズーット信じていたので、軽いショックと、可笑しさの両方を感じ、40年経った今でもその衝撃は鮮明!

「一般解」と「特殊解」・・・この言葉の訳に絶妙さを感じる。

その頃からか私は、
「建築も世の中も、本当は2つの答えの中を動いている」と思うようになった。
「答えが1つと思うから、全体・真理が見えないのでは?」とも

「ドンナ事モ、本当ハ答エハ2ツアルンダゼ!」・・・自分の人生の価値観を若い頃の数学教育から学んだ気がして痛快です。

従って建築のプランを作っても、経営の悩みの答えを探していても、解答が見つかると、何時も、“コレハ誰がやってもスグ発見できる、「一般解」なんだ。本当は私に発見されるのを待っているもう1つ取って置きの「特殊解」がある筈だ”と考える習慣がついてしまった。

そして一般解が発見できて、暫く悩んでフット発見できる「特殊解」に巡り会えると、
「ヤッタ!!」とやっと本当の答えを発見できた達成感を楽しむ。

数学の世界では一般解と特殊解が同時に出るが、どうも建築も経営も実社会も、先に出るのが、一般解で、特殊解は後で出るから、始末が悪い。
そして一番厄介なのは、誰が見ても一般解はモットモラシイ顔をしていて、誰にも好かれ易いのです。その答えで何も問題は無いのです・・・

「特殊解」が出なくても、誰も困りません。
しかし私はこの「特殊解」が出てこないと、問題を解いた気がしません!

だって、「真理はいつも2つあるんですから・・・」

建築も、経営も、人生も、人と同じ「一般解」では、ツマラナイでしょう??

・・・自分だけの答え「特殊解」・・・それが人生かなと最近思い始めています。

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