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2004年07月20日

第076号 「ランチェスターの法則」

ランチェスターの法則・・・聞いた事がある方は多いと思います

今から二十数年前、ある天才・怪物経営者に出会いました。頭脳・風貌・説得力・顔立ちどっから見ても大変魅力的な人物でした

“名古屋で住宅設計が一番上手な若手設計士を紹介して欲しい”との要請に、ABC商会という輸入建材会社の懇意にしていた営業マンが、私を紹介したのでした。

S氏は初めて会う私の名刺を見るや、使い込んだ姓名判断の分厚い本を取り出し、
“運気の悪い人と付き合うと自分の運気も下がるから、運の無い人とは付き合わない”とまず字画数から運勢判断をしてから話しが始まりました
・・・幸いに合格でした!

住宅を設計して欲しいと言うS氏は、全容が視野に入らないほどの大きな、6000坪!もの敷地を私に案内すると、数日後
“どんな家がイイかとイロイロ調べてみましたが、この家が一番気に入りました”
と言って私に見せる写真集は、天皇陛下の“新宮殿!!”でした
・・・本気なんです!!

新宮殿の銅版製屋根材の厚みが0.3mmと解ると彼は、それ以上0.4-0.5ミリの厚みを要求しました!
・・・天皇陛下を“天チャン”と語る彼は、天皇様をライバル?と考えていたようです
運勢判断に凝るS氏の指示する、規模からすると不可能と思える納期に、死にそうな思いで間に合わせた。
最後には工事予算が合わず着工できませんでしたが、新宮殿の写真を横に置きながらの設計は、若い頃の楽しい経験でした

モータリゼーションの幕開けの頃、日本中にモーテルブームが起きました。
今のラブホテルの前身ですが、当事、規模的には10室からせいぜい20室の止まりの頃に、S氏は、50室とか100室とか、とてつもない規模の計画をしました。
名古屋の中心地に1001室!のカプセルホテルの計画をした事もありました。
全ての事業が桁違いで、常人の発想をはるかに超えるものでした・・・

私は彼に付きながら、まるで弟子のように会社や自宅で、毎日のように色んな話し・講義を受けました
・・・私にとって生涯最も影響の大きかった人物の一人です

その“講義”の中で、ランチェスターの法則を聞かされました
S氏は25年!も前に、この法則に基づき、モーテルの部屋数等事業の規模を決定し、連勝街道をひた走り、巨財を築いて行ったのでした

商売に運の大事さと、マーケット理論の大事さの両方を持ち合わせた本物の怪物!
でした

私は彼を通じて成熟した感のある現代でも、知恵と工夫で巨万の富を作れる可能性がある事を目の前で見たのは大きな驚きでした。

やがてバブルの時代を迎え、彼は蓄財した巨万の富を使い、タッタ1つの土地の転売で、100億円もの利益を上げたり、上場企業の株を買い占めたり、多額の脱税をしたり、新聞紙上を華々しく?飾りだし、私は彼から離れていきました

あの類稀な頭脳・実行力・才能を日の当たる部分で生かしたら、“世紀の偉人”になれた勿体無い人物でした・・・

話しの前置きが長くなりましたが、長年パチンコ設計しながら、設計店舗の勝ち負けを横で見ているうち、パチンコ業はこのランチェスターの法則が最も、シンプルに当てはまる業種と思います

ランチェスターの法則は、第一次大戦の、空中戦の敵・味方の被害状況を、数字に落とし込み、戦いにおける兵力と武器の関係を法則化したものです。

モトモトは戦争理論だったのですが、ビジネスは所詮は戦い!第2次大戦後、全国展開を図る躍進企業には欠かせないバイブルになってます

スーパーマーケット業界では、兵力は販売床面積!
全ての物販業が大型化するのも、
トヨタが国内シェア40%にこだわるのも、この法則です
(シェアが40%を越えると2位は1位との戦いではなく3位との戦いになる。つまり
1位独走が始まるのです・・・トヨタは40年も前からこの数字にこだわってきました。
昨今のトヨタと日産の戦いを見れば明らかですネ
日産の一番の誤りはトヨタに負けたことではなく、トヨタがシェアを40%とった以降も、トヨタとの戦いに明け暮れ、トヨタと同じ車種構成で戦った事でした
・・・早く3位のホンダ叩きに回らねばいけないのに・・・喧嘩は強いやつとは戦わずに弱いやつと戦うのが鉄則です・・・!)

パチンコ店の大型化競争の勝ち負けも、本質はこの法則に基づいてます
各店同じ台しかない今の状況は単純に、兵力=台数です
この場合は兵力は二乗倍・・・300台対500台は3対5の戦いではなく、9対25の戦い・・・約3倍です

ダイナムさんが、かって北海道・東北地方で連勝街道まっしぐらの頃は、規制が最大300台地域に480台ですから、この法則どおりの効果が出ました
しかし奮起した地元勢が同じ台数で戦い出したら、ダイナムさんの数字が低迷しだしたのもこの法則でウナズケます

500台対1000台は5対10ではなく、25対100
・・・つまり4倍の戦力の違いです
理論上は500台は、1000台に絶対に勝てません・・・貴方は小さい頃に喧嘩した事ありませんか?どんなに強い人も1対4では勝てません
この500台店舗は、同一マーケットに進出した1000台店舗と張り合わずに、他の
500台以下店舗に戦いの照準を合わせるしか有りません

・・・・・・・・・・・・・・・タムラの独断と偏見の解釈・・・・・・・・・・・・・・・・
当初ダイナムと机を並べ、チェ―ンストア理論に傾倒し、ダイナム式標準台数店舗にこだわった時期もあったマルハンはある時期ランチェスター理論で、各地の店舗の兵力状況を見て、800台―1000台を使い分けだし、業績を上げて行った

方や“チェーンストア理論の旗頭”のダイナムは、今更ランチェスター理論には切り替えられずに業績はやや停滞しだした

つまりダイナムのかっての躍進は、チェ―ンストア理論に有ったのではなく、偶然にもランチェスターの世界だったと思います

昨年福島ダイエーの金社長から、仙台泉での台数の相談時に私が
“ライバル店舗が800台に対して、1200台にしましょう”と語ったのは、この二乗倍ルールで瞬時に800の5割増・・・800対1200は1対1.5従って兵力上は1対2.25の計算からです

昨今の、同じ機種揃い(武器が同じ)の差別化の難しい状況下ではますます、ランチェスター理論が大きく浮かび上がる事でしょう

しかしランチェスターの法則は決して大きい会社が小さい会社に勝つ法則だけでなく、小さい会社の戦い方も解いてある理論です
さあ大型化競争でお悩みの皆さん、ランチェスター理論の勉強も少ししてみませんか・・・・

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