第151号 「床が沈下!」
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最近とてもショックな事故が発生しました ・・・当社設計のパチンコ店の床が下がったのです! どんな物件も万全を期して設計して来たつもりですが・・・同じ悩みをお持ちの方が居るかもしれないと、誤解される事を怖がらず“告白”します 現場が“地盤沈下地帯”(軟弱地)である事は、事前のボーリング調査で設計前から解っていました 柔らかい層が地表から地下20Mまで続いた下に、固い“支持層”が存在し、この支持層に杭を打ち、建物の耐震性を確保した 一番議論になったのは、店内の床・・・(施主の希望もあり)店内には柱が無いプランとなっている 柱が有れば、柱と柱を結ぶ、“地中梁”と称する鉄筋コンクリートの大きな梁が有る為に、床は万が一沈下しても、この地中梁に支えられる形となり、床は沈下しぬくい構造となる 通常、床は“土間コンクリート”と称する、床にかかる重量を地面に伝え、建物の耐震設計に負担をかけない構造と “構造スラブ”と称し、床にかかる重量を基礎・杭に伝え、耐震設計上は、床にかかる重量も建物で支える構造の2種類に分かれる 当然“構造スラブ”にすれば、コストアップになる為、余程の事が無ければ、通常は日常的に“土間コン”で設計する 床の重量を“土”に伝えて行く為には、この土に、当然ある程度の固さが必要になる 今回のケースは、土に固さがない状況・・・構造設計者が一番悩む所 当社パートナーの優秀な構造設計の先生は“地盤改良工法”を採用した 土間コン下の土にセメントを混ぜに、厚さ50CMの岩盤の様に堅牢な地盤を人工的に作る工法です 柔らかい雪の上を長靴では、足が沈んでしまうが、大きな厚い板を敷けば、体が乗れるイメージを描いて頂ければ理解出来ると思います “濃尾平野”は木曾三川による洪積平野ですので、愛知県の海に近い川下地域は、海抜0Mの地盤沈下地帯です “地盤改良工法”は、その地盤沈下地帯でも長年使われて来た、極日常的な工法で、我々は何の不安も無く今回採用したのだが、 “沈下”を知った時には、姉歯事件もあり“設計ミス”か!? とショックと同時に責任の重さに、議論を重ねながらも、構造設計の先生共々、寝られない日々が続きました 原因追求と同時に、下がった床を上げる技術の検討に多くの時間を費やした事は言うまでもありません 幸いにして、外国の特許工法が発見できました ・・・床に直径15mm位の小さな穴をあけ、液体ウレタンを注入し、一定条件下で発泡する特性を利用して持ち上げる仕組みです 工法の“手軽さ”・“泡”でパチンコ玉も入ったままの重い床が上がるものかと、疑心暗鬼な思いでしたが、営業しながら、閉店から開店までの、深夜作業1週間で、約1000㎡の、沈下量10cmの床が、2次的被害もほとんど発生せず、無事持ち上がりました!! ・・・本当にマジックのような工法です 事故が起きた事は不幸でしたが、営業上の被害を最小限で食い止められた事は幸運でした “設計ミス発生!?”で、迷惑・損害の大きさを思うと、最悪会社存亡の危機も頭をよぎりましたが、 施工前の調査で、“地盤改良の硬化不良”(施工不良)で、設計ミスではない事が判明し、危機は免れました・・・ 前々回“設計ミス保険”をレポートしましたが、今回の事故が保険加入の直接の原因になりました もし設計ミスであれば、今回のケースが保険の対象になる事は言うまでも有りません(・・・今回は加入以前の事故の為保険適用は無理) |