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2006年05月 アーカイブ

2006年05月01日

第163号 「お魚は何処にいる?」

大型連休真っ最中で、多くの行楽地は盛況のようです
私は自宅が、海の直ぐ横です
近くの海岸の堤防は、多くの釣り人で賑わっています

海岸近くの田舎ですから、当然子供は皆一度は釣りにハマリマス
私も、良く行きました・・・しかし魚釣りも結構コツが有るようで、残念ながら沢山つれた記憶はありません

記憶に残るのは、堤防で釣りをしていて、近くでプロの漁師さん達が、船でゴッリと魚を捕まえて行くシーンです

“クソー!
直ぐ向こうには魚があんなに沢山いるのに・・・釣れないのは、竿が短い・糸が遠くに届かないせいだ“
と、自分の腕より、遠くに届かないリールの小ささを嘆いた記憶が鮮明です

その悔しさが大きく残り、いずれ“漁師のように、船でゴッソリ魚を捕まえて見たい”との思いが、成人になって船を持つ大きな背景になりました

確か40才の頃、弟と共同で24フィートの小型船を買い、さっそうと小さい頃の(遠くに糸を投げ入れられなかった)夢を果たすべく釣りに出かけました

・・・オカシイ???
釣れないのです
深い海にもお魚さんがいないのです!!

小さい頃、“釣れないのは、陸に近いせいで、深い海には沢山のお魚がいる!”
と信じて来たのに・・・

魚は海に居なかった
“魚場”と言う、お家に居たのです!
魚場の多くは人為的に造られた魚の家です・団地です・・・旗が立っていて明示されています

堤防の岩も魚の家だったんです!
小さい頃、リールで一生懸命遠くに飛ばした事は、逆に魚の少ない所に投げ入れていた事に(30年経って)気が付きました

パチンコ店設計していて、不思議に思うのは、地元を遠く離れて出店したがる経営者の多い事です

長年住み慣れた地元で利益が上がらないと、突然“田舎ではダメだ”と、都会に出店したり
反対に、“都会は競争が激し過ぎる”と田舎に出店する企業も有ります
(ランチェスター理論からは外れる・・・弱小は広域戦に持ち込んではダメ)

他人の芝生が青く見えたり、お弁当が美味しく見えるのは、パチンコ経営者も同える”ようです
そうしたお互いの思いが複層し、業界分布図はかなりややこしくなっています

他地域に出店した多くの企業は、多分管理上の問題が一番大きいと思うが、撤退する企業も最近増え出した

そんな状況を見ていると、不思議に小さい頃の、リールを少しでも遠くに飛ばそうと頑張っていた釣りを思い出します・・・

でも
お魚は遠くの海には無かった
お魚は家に住んでいた!

2006年05月08日

第164号 「ポルシェは、本当は何を売っているか?」

若い頃から、車が好きでした
日本に乗用車が登場した頃が、青春時代でしたから、当然の成行きでしょう

“趣味は車です!”
なんてカッコ良く言いたい所ですが、実際は車の本を読む事が趣味と言うか、ストレスの解消法です
最初は本を買っていましたが、意外にかさばり、置き場に困り、最近はもっぱら立読みです

ズーッと憧れの車はポルシェでした・・・17年前に“衝動買い”し、今は車庫で静かに寝ています(NO.91号「ポルシェとカローラ」に詳細)

雑誌の中で、ポルシェの経営者の談義が今でも忘れられません
・・・“ポルシェは、幻影を売っています”・・・

“幻影”と言う日本語が、独語のどんな単語の訳かは知りませんが、車と言う技術・ハードの極みを売っている企業の経営者が放ったこの言葉に、この企業の戦略性の深さを感じました

物を売っている企業の社長が、“当社は物を売っているのでは有りません”と言っているんですよ・・・カッコ良いですね!
“イメージ・幻を売っています”と、堂々と言って見たいものです

今ならこの“幻影”と言う言葉は“ブランドイメージ”と訳すのかもしれません
が・・・私はあえて“夢”と訳したい

ポルシェを手に入れると言う事は、F1の世界とか、モータースポーツの異次元の世界への夢を描かせると言う意味と

“所有は幸せ”と言う夢を与える事に成ると訳したいからです

ところで、
パチンコ経営企業の役員さんへの質問です・・・
1 パチンコ業は、本当は何を売っている商売ですか?
2 貴社は、本当は何を売っていますか?

機種に対する規制が強化され、風営法が改正される今
もう一度原点に帰って“本当は何を売っている商売か?”を、全社上げて問うことから始めて見ませんか?

各企業が強い企業理念を持つ事から、益々加速される“大競争時代”の生き残りの戦略を構築しましょう!

我々設計業の本質は、単に目先のデザインの優劣・変化では無く、各企業の戦略の具現化であると考えています
・・・一緒に戦略作りをして行きましょう!!!

・・・・・・・・・・・・・・
「1989年型ポルシェ体験記」
私の、1989年型ポルシェカレラの体験記を語ります

・遅い!
オバサンが乗っている軽四ターボのオートマ車に、信号グランプリで簡単に負けます(私は、相手がグランプリと思っていない事に、暫くして気が付いた)

・クラッチが重い!
私の、左足の大腿部付け根の軟骨は炎症を起した!

・カーブが恐ろしい!
日本車が、車内で談笑しながらでも曲がって行ける高速カ-ブは、死ぬほど怖い!・・・ハンドルを両手に握り締める手に汗がにじむ

・疲れる!
1日乗ると、もう1ヶ月は、乗りたい衝動が起きてこない

・うるさい!
空冷エンジンの騒音で、車内は会話をする気に成れない

結論
ポルシェは、本当に幻です・・・不思議な車です
知り合いの車好きは、(憧れて)買った日に、“狭い・うるさい・遅い・恐ろしい”と失望し、翌日売りに出しました

2006年05月16日

第165号 「怪人YAMANAKA」 

思い出深い社員の筆頭は“ヤマナカ君!”
夏の夕方の飲み会での出来事
・・・席に“蚊“が飛んでいました
彼は、談笑しながら何気なく座ったまま(日常行為的に)蚊をこぶしの中指で次々と“突き”落とす!!

“み・ミ・MI・み・・・宮本武蔵か!?”・・・夕食会は驚きから賞賛と尊敬と畏怖に繋がって行った・・・(彼を絶対怒らしてはダメだ!と全員思ったと思う)
聞けば大学時代は、少林寺拳法の達人・キャプテンだったそうで、端正な風貌にはこの道一筋を極めた者だけが有する達人のオーラが漂う・・・

ある日、(彼も同行し)4名ほどでの打合せの帰りの電車内・・・若者がケタタマシイ勢いで騒いでいた
車内を大声で威嚇しながら、往復走り回り
持っていたセカンドバッグを力一杯投げつけたり、・・・恐らく麻薬中毒的症状で、その狂人的行動に車内はパニック寸前だった

乗客一人一人の顔を順番に覗き込み、大声を発しながら威嚇し出す・・・見渡せば車内で一番体が大きく(一見強そうな???)私は、
“ココで立ち上がらなければ、日本の平和は維持されない!”と“勝負(討ち死に)”する決心をしていました(・・・本心は恐怖心で一杯です!)

しかし・・・何故かその狂人的若者は、私の席の直前で、突然Uターンし、駅に着くや去って行きました
・・・横でヤマナカ君が構えたのです!!・・・狂人が達人のオーラに怯えたのです・・・“社長5-6人なら私1人で大丈夫です!日本刀持っていても大丈夫です!安心していて下さい”・・・スゴイ奴が世の中には居るものだ!

以来私は彼を敬意を持って“ヤマナカ”ではなく“ヤマナカ君!”と呼ぶようになりました

若い頃社員・家族全員連れて、海外旅行に何回か行きました
第1回目は“バルセロナ―パリ”です
・・・総勢約20名・大半は、海外は勿論、飛行機さえ乗った事すら無い、おまけに添乗員なしのケチケチ旅行です

パリでベルサイユ宮殿に皆で出かけたが、移動中の地下鉄が突然止り、乗客が全員降りるではありませんか!
英語は勿論フランス語は論外の我々・・・状況が判らない

海外旅行初めて、日本語△英語×仏語×のヤマナカ君は、
“社長、ストが有って他の交通機関に乗換えのようです”とパリ在住の日本人のように平然と、皆を案内し出す

乗り換えたバスがまた止まる・・・彼はまたもや平然と、近くの鉄道駅へ歩き出す・・・“多分この電車に乗り換えればベルサイユへ行けます”と今度は仏人の様に落ち着いて語る

本当に、我々はベルサイユ宮殿に着いた!!・・・ヤマナカは神か?
べルサイユ駅に着くと“神”は、切符売り場で何らやモメテイル風・・・“マネー・チェンジ!まねー・ちぇんじ!”と、叫び続けている

・・・こんな所で両替かと見ていると、彼が右手に持っているのは“地下鉄の切符”・・・どうやら、“ストで使えなかった切符代を払い戻せ!”と抗議している様子だった・・・お金と切符を交換して欲しいからマネー・チェンジ!・・・素晴らしい英語力だ???

私は、粘る彼を引きずる様にして駅を後にした・・・切符売り場の老女は言葉が通じない屈強な若者に怯えているのは明らか!・・・放っておくと“恐喝罪”で国際問題化する懸念を感じたからだ

天才かアホか判断がつかない!?・・・まさしく“紙(神)一重”の世界!

この“紙一重氏”は、ベルサイユ宮殿に入ったら、何を考えたのか大理石をコツコツと叩いて廻る・・・行動不明!

1時間ほどして“社長!ココ偽物です!”
信じられない思いだったが、音がベコベコと響き、まさしくベニヤ張りの上に本物ソックリにペンキで描かれた偽物大理石でした!!

もしかしたら彼はベルサイユ宮殿の偽物を世界で初めて発見した歴史的大発見者かも知れません

少林寺拳法の天才は、文化よりヤハリ“叩く”事が一番好きだった様です!!

そんな彼が家業を継ぐ為に故郷に帰ったのは、今でも残念です
やがて当社も、求人会社を通じて求人し出し、こうした紙一重の達人?に出会えるチャンスは無くなりました
・・・求む怪人!!

2006年05月22日

第166号 「良い建築をより安価に ②」 

4月17日の、NO.162号に、記したように、建材ビジネスを正式に取り組み始めました
しかしカタログだけでの発注には不安があります
設計する上で、建材の採用には、大きな責任が伴います。ましてや外国、特に色んなトラブルを聞いている中国相手です
慎重にも慎重を重ねる必要が有ります

そんな理由から、先月の広州の交易会でピックアップした企業へアポを取り、訪問する事から始めようと
先週1週間、建材工場視察に、中国の“深?市―佛山市”を訪問して来ました

両市とも、香港と広州に挟まれた区域にあり、どちらからアプローチしても、距離・時間・費用はホボ同じ位です

“中部国際空港―広州”便は、月・水・金、出発なので、今回は上海経由のルートで行きました
香港に直ぐ近い“深?市”には電子部品企業が多く、我々は今回LED企業を訪問して来ました
交易会で、パチンコ店の内装・備品に使えそうな製品を発見したからです
3社アポをとりましたが、1社は現地での電話では反応が無く脱落

2社目は製品精度に問題があり諦らめました
3社目は素晴らしい会社でした・・・商品開発にも意欲的で、LEDの素子は、自社製でした
直ぐでも使えそうな商品を多く発見したので、逐一サンプルを輸入し、日本の工業試験検査を受けてから販売開始します

次に“佛山市”を訪問しました
タイルの専門家の案内で、製品精度の確認が大きな目的でした
佛山市は、古くからのタイル工業が盛んな町の様で、町中タイル企業だらけの印象です
通称“磨きタイル”は、数年前当社が上海見本市で発見し、当時代理店が無かったので、おそらく日本で初めて輸入・使用していたのですが、大手建材会社の正式輸入で一気に市場は拡大しました

輝き・色彩・硬度・耐摩耗性・吸水率・製品精度・メンテナンス・コスト・・・
どれを採ってもこれに勝る床材は無いと思います

佛山市には年間生産量100万平方メートルを越える企業が10社ほどあり、各社ともフル生産体制です
80%は国内需要・20%が輸出だそうです

工場にも行って見ました
検品体制が一番気になった為です
精度の良し悪しを、どんな体制で行なっているのかが、輸入業務の最大の関心事です
・・・危惧でした!
ヤハリ世界に出荷している企業だけの体制は取れています
特に製造ラインはオートメションで、製造機械はイタリア製の最新型です

人力に頼る部分は、運搬・梱包が主で、製品精度には無関係の部分でした
・・・安心しました
これなら責任もって販売出来ると自信を深めました

ただ気に入らないのは、支払いは全て“前金”です
彼らはノーリスク
リスクは全てこちら持ちです・・・

最近中国へ行く機会が増えてきて思うのは、
中国は今や世界の(下請け)工場を脱皮して、急速に製造販売のメーカーとして台頭し始めました

恐るべし、中国の成長・変化!!
アメリカを抜いて世界一の大国になる気がする!
・・・どうする日本のアジア外交??

2006年05月29日

第167号 「住民反対運動と確認申請」

設計の仕事していて、一番辛いのは“住民の反対運動”
特に我々が特化しているパチンコ店の設計において、年々増加している気がする

都会では、
建物高さが10Mを越えると、多くの都市では日影規制という法の適用を受け、近隣住民に建物概要・日陰状況の戸別説明義務が生まれる
パチンコ店が建つと解かると、住環境の悪化に不安を感じた近隣住民は、戸別説
明より全体説明会の開催を要求し、説明会が発端で、本来の日陰の問題ではなく、パチンコ店建設反対運動になって行く・・・

また地方では
農業用水路が多く、その水路に店舗で発生する“生活用水”の排水に、水利組合の印が必要になり、印は組合長の独自判断だけでは押せず、説明会を開催すると、ヤハリ本来の水利問題を離れ、パチンコ店建設反対運動に発展して行く・・・

反対運動の度に、我々は駆り出される
本心は設計業の“業務外”と思うのだが、実際はそんな訳にも行かず住民説明会で設計説明をする事から、ダンダン深み?に入って行き、いつの間にか矢面に立って行かざるを得なくなる

住民は、役所に泣きつく・陳情する
しかし・・・法がある・・・もちろん適法!!

住民の反対運動はあれ、提出された確認申請を、役所は拒む訳にも行かず、建築確認申請は受理され、建築基準法上の違法性が無ければ、確認申請はチエック後降ろされ
工事会社は着工し、完成しオープンする

最初は、断固反対!姿勢の住民運動も、適法下の反対運動の限界を知ってか?
回を重ねる毎に、参加者は減少し、
最後は町内の役員さんと、店舗に極近い住民さんが残り、条件闘争に変わって行き、工事期間中の問題・開店後の交通問題等の詳細議論になって行き“協定書”を交わして終結する

私は、“もしも自分の家の横にパチンコ店が出来たら、実際はたまらないだろう
なー”と思うと、根が優しい?せいか、とても心が痛い・・・

自分が、この分野で飯を食わして貰っていて、不謹慎と思いつつも・・・
こうした問題を通じて、日本の民主主義とは何だろうか?とよく思う
本来は、国民の幸せな生活を守るはずの法が弊害になり、住民運動は法の前に無力化する・・・

規制緩和が叫ばれている今
耐震疑惑事件が大きな社会問題化している今
日本の建築基準法・都市計画法は根本的に作り変えるべき時期に来ていると思う

恐らくパチンコ店もまだ商店街の一角に、細々と経営していた頃に法が作られ、
今のように1000台とか2000台の巨大店舗時代を想定していなかったせいであろうが、法と現実のギャップがどんどん広がって行く

時々映画館(シネコン)の設計をする事もあるが、一番笑えるのは
映画館は、準工業地域と商業地域にしか認められていない

推測に過ぎないが・・・昔の映画館はステージがあり、時々女性の“**ショー”が行なわれていた
その時代の名残が未だに残り、住宅地域系から排除し、住民のほとんど住まない都心部の(歓楽街の)商業地域だけに許したのだと思う

最近、終戦直後に作られた、教育基本法の改正が議論されているが、(建築基準法も含めて)多くの法律が“賞味期限切れ”の気がする

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