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2006年10月02日

第184号 「建築家の自邸」

私事で恐縮ですが、今自宅を増築中です
2年ほどの(さほど大きくない!)台風で、車庫・納屋に使っていた掘っ建て小屋が倒壊した事と、
私、長男で来年60才の還暦を迎え、冠婚葬祭用の部屋が必要になったからです
見掛けによらず(どおり?)古い性格なものですから、“人生の節目”との決断です

第1期工事は、長女が中学入学の時ですから、約20年前に完成しました
父親が海辺に放置していた土地があり、次女が小児喘息気味だった事もあり、会社経営の苦しい最中、(親に援助もして貰い)思い切って造ったのですが25年の住宅ローンが、まだ6年も残っています

日頃、仕事で何億円もの建物を多く設計しているので感覚が麻痺していたのか
“タッタ2200万円”と思っていたんですが、25年間毎月13万円のローンは大金です・・・“億のお金”の重みは、自分のローンから実感でき、職業の責
任感に怖くなります

昔から建築家の自邸は、自身の建築論が濃く反映され、質素だが名建築が多い多くの建築はクライアントの意向を反映するため、
自身の建築論で自由に設計できるのは自宅くらいなので、建築家は万を持しての設計となる
・・・名建築が出来るのは当然!

私も、若い頃胸膨らまして“いつかは、カッコイイ自宅を創り、建築界へデビュー!”と夢見て来ました・・・実際その場面に遭遇し、思う存分腕を奮うチャンスが来ました!
・・・しかし
私の自宅全然カッコ良くないのです
・・・どうも名建築家の素養は無いようです

建築雑誌に発表どころか、その頃小学生だった次女に、“お家はお父さんが設計したと言わないようにしている・・・ダッテ恥ずかしいもん”とまで言われ、妻も私の建築能力に大きく失望したようです
子供も妻も、女性向け月刊誌に出てくる様な、セレブで洋風な家が出来ると思っていたようです

我が家の周辺は、漁村かつ寒村・・・多くの家は、屋根は日本瓦・外壁は漆喰と杉板に黒いコールタール塗りの、日本中の田舎に見られる光景です
私、この日本瓦・黒の杉板・白い漆喰が無性に好きなんです・・・小さい頃、毎日に様に見に行った“チャンバラ映画”の影響です
・・・チャンバラ映画に憧れて造った家を、妻や子供が失望するのは当然でしょうネ

その代わりに、耐震的にはメッチャンコ(名古屋弁)丈夫に造りました
自分が建築家でありながら、地震で家が壊れ、家族に不幸があったら後悔のしようが無いとの思いからです

外観は木造風なのに、基礎はPC杭を支持地盤まで打ち、構造は“重量鉄骨造”計算値20CM角を25CM角にし、厚さも1ランク上げてもらい
・・・おまけに、構造上何の根拠も無いが、中空の柱の中にコンクリートを流し込むと言う念の入れようです

倒壊時には、中空の柱がつぶれるとの判断からですが
・・・その頃構造の先生に笑われたその工法は、今は最新の考えだそうです

建築は“一に構造、二に防水、三・四が無くて五にデザイン”と言われる言葉を地で行くような自邸です
・・・関東大震災の2倍でも壊れない自信が有ります
私は、名建築家に成りたい欲望より、家族を守る丈夫な家への関心が高いようです

(時代劇風・丈夫な家をお望みの方は是非一報を・・・PR・誰もいないって?)

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