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2007年02月 アーカイブ

2007年02月05日

第201号 「エキスパンションジョイントの内樋」

設計は昔から「一に構造・二に防水・三四が無くて五に意匠」と言われ、先ずは、壊れない(構造)
次に、雨が漏らない(防水)
最後に、意匠(デザイン)と言われます

若い建築家がヤヤもすると、“納まり”を無視してデザイン偏重になる事を諭した言葉ですが、
建築の大事さの順番を語るのに、とても的を得た言葉です

構造は、数字・コンピューター解析ですから、正解は出易い
しかし、一番厄介なのは“防水”です・
・・正解が出て来難いのです
高温多湿で、梅雨・台風・雪と降雨量の多い日本の気候上、一番トラブルの発生し易い分野です

原理原則に立つなら、
一時も早く建物外に“排除”するべき雨を、
(屋上を屋外機・キュービクル等の設置に使いたい為に)
フラット屋根にして雨水を“プール”する事が、事故を発生し易くする原因です

設計段階で十分な考慮はしますが、一旦漏ると(雨は建物内を横に伝う為)何処から漏るのか、専門家でも判断が付き難くなります

パチンコ店では(最近コストの関係も有って)金属製の勾配屋根が多くなり、屋上に設備機器を配置するケースは減ってきたので、随分漏水事故は減りましたが
・・・増築工事は厄介です

増築工事は、当初の設計時点と、増築時点ではホトンド“耐震基準”が異なっているので、
構造的には、既設建物とは“縁を切って“設計せざるを得ません

しかし、機能は繋がっており、一体使用しますので
原理的に、ここが最も漏水の発生し易い部分です
・・・構造の縁を切っている為、地震時に建物が一体的に揺れない事も原因の一部です

従ってこの部分は“エキスパンションジョイント(expansion jo
int)”と言って、
内外装・屋根共に地震時・大風時に“伸縮・揺れについて行く収まり”とし、技術屋さんの腕の見せ所です

しかし、“技術に完全は無い”
技術屋さんがどんなに頑張ろうと、ヤハリ漏水の不安は残ります

ジャー、如何するかって??

(他社は知りませんが・・・)
私は(内緒で・・・)“内樋”をつけておきます
万が一漏った場合に、2次被害を防ぐ為です

建物内に雨水が入っても、(2次被害発生の前に)外に出してやれば良いのです
・・・決して(漏る事は)良くは無いのですが、漏水を漏水事故にしない為の“生活の知恵”です

“無用の用”とでも言いますか、
万全は尽くすが“万が一の備え”です
・・・役に立たない事を祈りながらの設置です

今風に言うと“リスクヘッジ”とでも言うのでしょうか

設計者・経営者していると、多くの問題・困難に遭遇します
私は、そんな時、この“内樋”を思い出します

最大限の努力は惜しみませんが、
最悪のケースに備えて“内樋”を用意しようと思います

この内樋(相当)が何かを発見出来た時に、問題は実質解決すると思います

2007年02月13日

第202号 「雨は下から降る!」

前回に続き“雨”のお話をします

設計の世界には雨に関する言葉が多い
・・・それだけ雨に悩まされて来たからでしょう

“雨が漏ったら一流!”とも言われます
・・・新しいデザインに挑戦すると、必ずと言ってよい位、予期せぬ漏水が発生する事から生まれた“自虐的格言”でしょう(開き直りとも言いますが・・・?)

“先生雨が漏ってますが・・・”
“その内、ホコリが詰まって止るでしょう!”と応えた巨匠も居たそうです
・・・(こんな素晴らしい設計してやったんだから)少々は我慢しろと言う意味でしょうか?

巨匠でも解決出来ない位建築デザインは、雨との戦いです
最近では、スーパーゼネコンの設計施工による名古屋ドームも雨漏りで、一時ゲーム中断の事故も有りました
・・・金属屋根の予想を越えた“熱膨張”が原因だったようです

日本の気候は、寒暖の変化が大きく、大雨に大風が伴う事も多く、技術的には大変です
そんな劣悪な気候条件の中で育った日本の設計技術は、耐震技術も含めて(たぶん)世界一だと思います

余談ですが、日本の若手建築家が世界のコンペで続々入賞し出し、今やデザイン面でも世界一だと思います
(近代建築の伝統が無かった事と、戦後の復興とバブルが建築家に多くのチャンスを与えた事が原因と思います)

さて今回のテーマの、雨の件ですが・・・
若い頃いろんな物件で、漏水に悩まされました
原因が、サッパリ判らない物件も多く有りました

ある現場でベテラン現場監督が、サッシュ周りの漏水実験で、水道ホースで下から水を吹付けていました

“どうして下から?”と聞くと
“先生、雨は下から降るんです”
・・・台風等大風には、“雨は外壁を逆登る”そうです

・・・ハットしました
漏水の原因追及を、
“雨は上から降って来る”前提で考えていましたが
“雨は下から降る”の言葉に、“目からウロコ”です

“雨は下から降る”と思った瞬間に目の前が広がり、漏水が解決し出しました
・・・発想・視野の変化が解決をもたらすのです

正常ではない状態で事故が起きるのに、
外的条件が正常状態であると考える事自体が問題解決を遅らせるのです!

これは、単に漏水の技術的な事ではなく、発想法のヒントを含んでいます

以来私は、物事が行き詰った場合に
・・・“雨は下から降る”と自問し
反対側からの視点で考え直す事を、私の“座右の銘”の一つとしています

(5号機問題をはじめ、多くの難問が次々とやって来る)パチンコ業界の経営者の皆さん
たまには逆の視点からの発想で問題解決に取組んで見ましょう!!

2007年02月19日

第203号 「市場を制する者?」

建設ブームです
当社の直ぐ横でも2件建築中です
名古屋の好況・名駅前の超高層建築・(比較的地価の安い)名古屋へのファンドマネーの流入が大きな原因のようです

当社も市内に所有している(小さな)駐車場を有効利用しようと、勉強に立上りました
先ずはテナント紹介会社にお話を聞いてみました
“10年の家賃保証”をしてくれるそうです
詳細を聞き、次に最新物件の見学に行って見ました

・・・イヤー“木賃アパート”のイメージは全く有りませんね
レベルが高いですね
快適そうですね
“シティーホテルのツインルームの豪華・快適さにキッチンが付いている”と言ったら良いのでしょうか

入室管理(訪問履歴もメールに入る)・宅急便の配達(届くとメールが入る)も携帯電話で行なえ、セキュリティーも万全でする
セレブ・ステイタスさえ感じさせる出来栄えです

プランも、大きさ・キッチン・お風呂トイレ周りに、色んなパターンが用意され、他の物件を見る必要が無い・見させない戦略の様です

テナント会社の社員さんは案内しながら
“プランは色んなパターンを用意しないとダメですよ”
“最近はメゾネットタイプも好評ですよ”
“家賃は、ここなら**万円までですよ”
“角部屋なら**千円プラス出来ますよ”
“色はこんな色が好まれますよ”
“最近は玄関が有りませんよ”
・・・実に細やかに、借り手の好み・需要を、語り・語れる

テナント会社は、不動産屋・手数料屋ではない!・・・本質は情報業の気さえします
マンションの土地有効利用も、彼らとJVなしでは、成功しない実感を持ちます

・・・ハットしました
“市場の最先端に居る彼らに、我々はかなわない実感”にです

どの事業は先ずは設計から始まるので、我々建築設計業はビジネスの最前線にいると思っていたが
・・・技術では市場を制覇出来ません
このマーケットの最前線には、彼らが立っていたのです

<市場情報の先端に立つ者のみが、その市場の覇者になれる>

深く反省しています!
我々は、特化したパチンコ業界において、マーケットの先端に立っているかの反省です!
マーケットは経営者か、パチンコファンか?
日々お店を運営している社員さんの声を聴いたか?
パチンコファンの声を聴いたか?
・・・・・・・・・・・

パチンコ経営者の皆さん!
経営はマーケットの声を聴くことから始まると思います
5号機の危機を契機に
市場の声を聴く事から再出発しましょう!

先ずは店舗の現場に行きましょう!!

2007年02月27日

第204号 「キャッシュフローと資産形成」

私、経営者を30才から29年間(も)やって来て、今年60才になります
その間バブルがあり、(例にもれず)勢いで浮かれ自社ビルを作ったりで、大きな負債を抱え、今も当時の負債に苦しんでいます・・・

自社ビルは建築して17年
・・・未だに(最近の地価上昇で少しは実態に近づきましたが)返済はまだバブル(泡)部分です・・・完済するまで引退出来ません(多分70才!)

当初、支払う家賃が勿体無いと思って作った自社ビルは、(狭くて)使い物にならず、賃貸ビルにせざるを得ませんでした
結果的に、僅かだが“安定収入”を生み出す事になります(・・・マダ10年も先の話ですが・・・)

29年間の経営者人生を振り返って思うのは・・・
・・・本業のキャッシュフローで利益を生み出すのは、容易な事では無いという事です(私だけかもしれませんが・・・?)

理由は述べるまでも無いと思いますが
1つは、企業拡大への投資
少々の利益は、社員の採用・最新機器の購入等、会社の拡大への投資に消えて行きます

2つめは、税制の仕組み
日本の所得税は高過ぎます
国税・市県民税・消費税・固定資産税等モロモロで、60%前後無くなります
減価償却費の年数が長いので、数字とキャッシュフローに差が生じ、よほど“際どい節税”でもしなければ、
所得でキャッシュフローを残して行く事は至難の業です

前置きが長くなりましたが・・・
今回の提案です
モット“資産形成”に、重きを置く経営をして行きましょう

決算好調で、銀行から長期の借入金をし易い時に“賃貸ビル”・“賃貸マンション”を作りましょう!!
入居に不安があれば、10年・30年の家賃保証するテナント会社も有ります

長く経営者やっている人には解かりますが
20年って意外に短い年数です
本業で毎日、儲かるの・儲からないの・あっちへ店を作ろう・こっちの店を直そうと、毎日が夢中のうちに直ぐ10年~20年経ちます

店舗の敷地の一部か、商品価値のある商業地域(容積率400%以上)を探し、コツコツと賃貸ビルを作り続けましょう
20年満期の定期預金です!
仮に、商業地域を50坪・130万円/坪で購入すると
土地代は             50坪×130万円/坪=  6500万円
建築工事費は 工事費を坪65万円と想定して
             50坪×400%×70万円/坪=1億4000万円
賃貸収入は、有効部分を80%・賃料は7千円/坪として 
          50坪×400%×0.8×0.7万円= 112万円/月
(名古屋のワンルームマンションの家賃は概ね0.7万円/坪)

従ってまとめると
投下資本  2億500万円
賃貸収入   1344万円/年
計単純利回り 1344/20500=6%

金利が3%とすると、全額借り入れでも、賃貸収入で銀行返済が可能な数字です
20年後の完済時には毎年1300万円を生み出す孝行息子になる事を期待しての子育てです

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