第201号 「エキスパンションジョイントの内樋」
|
設計は昔から「一に構造・二に防水・三四が無くて五に意匠」と言われ、先ずは、壊れない(構造) 次に、雨が漏らない(防水) 最後に、意匠(デザイン)と言われます 若い建築家がヤヤもすると、“納まり”を無視してデザイン偏重になる事を諭した言葉ですが、 建築の大事さの順番を語るのに、とても的を得た言葉です 構造は、数字・コンピューター解析ですから、正解は出易い しかし、一番厄介なのは“防水”です・ ・・正解が出て来難いのです 高温多湿で、梅雨・台風・雪と降雨量の多い日本の気候上、一番トラブルの発生し易い分野です 原理原則に立つなら、 一時も早く建物外に“排除”するべき雨を、 (屋上を屋外機・キュービクル等の設置に使いたい為に) フラット屋根にして雨水を“プール”する事が、事故を発生し易くする原因です 設計段階で十分な考慮はしますが、一旦漏ると(雨は建物内を横に伝う為)何処から漏るのか、専門家でも判断が付き難くなります パチンコ店では(最近コストの関係も有って)金属製の勾配屋根が多くなり、屋上に設備機器を配置するケースは減ってきたので、随分漏水事故は減りましたが ・・・増築工事は厄介です 増築工事は、当初の設計時点と、増築時点ではホトンド“耐震基準”が異なっているので、 構造的には、既設建物とは“縁を切って“設計せざるを得ません しかし、機能は繋がっており、一体使用しますので 原理的に、ここが最も漏水の発生し易い部分です ・・・構造の縁を切っている為、地震時に建物が一体的に揺れない事も原因の一部です 従ってこの部分は“エキスパンションジョイント(expansion jo int)”と言って、 内外装・屋根共に地震時・大風時に“伸縮・揺れについて行く収まり”とし、技術屋さんの腕の見せ所です しかし、“技術に完全は無い” 技術屋さんがどんなに頑張ろうと、ヤハリ漏水の不安は残ります ジャー、如何するかって?? (他社は知りませんが・・・) 私は(内緒で・・・)“内樋”をつけておきます 万が一漏った場合に、2次被害を防ぐ為です 建物内に雨水が入っても、(2次被害発生の前に)外に出してやれば良いのです ・・・決して(漏る事は)良くは無いのですが、漏水を漏水事故にしない為の“生活の知恵”です “無用の用”とでも言いますか、 万全は尽くすが“万が一の備え”です ・・・役に立たない事を祈りながらの設置です 今風に言うと“リスクヘッジ”とでも言うのでしょうか 設計者・経営者していると、多くの問題・困難に遭遇します 私は、そんな時、この“内樋”を思い出します 最大限の努力は惜しみませんが、 最悪のケースに備えて“内樋”を用意しようと思います この内樋(相当)が何かを発見出来た時に、問題は実質解決すると思います |