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2007年11月12日

第238号 「認定式駐車場」

バブル期に、“基礎が無いから建築物では無い”と、法の盲点を突いて、無法地帯
的に“備品”のように、敷地に置いて、屋根面(屋上)を駐車場に使っての駐車場が、
日本中のパチンコ店から、一時期熱烈歓迎を受けました
・・・“簡易式駐車場”の登場です

店舗の大型化で駐車場不足を嘆いていたパチンコ店舗には救世主のような商品
だったが、最高裁で違法建築の判決を受けるや、たちまち、その発明?企業が消
滅してしまったその簡易式駐車場がいつの間にか、どうやって市民権を得たのか、
合法的に“永住”し出しました
それが“認定式駐車場”です
・・・(建築基準法的には)実に不思議な“商品”です

建築設計は一般的に、建築基準法をバイブルに、建築・構造・設備・消防法等の、
実に細かい点まで規制がなされており、その法的整合性を十分に検討し、確認申
請を提出し、審査機構のチェックを受けて、建築許可を受けて着工します

しかし、この認定式駐車場なる“商品”は、建築基準法の枠を超えて、色んな特典
が織り込まれています

先ず、消火設備が、駐車場建築には、一般的には“泡消火設備”(・・・世間一般で
言うスプリンクラーの泡バージョン)が必要ですが、この認定品は“移動式の粉末消
火器”(・・・配管が無いイワユル世間一般の消火器の大型番です)でOK

次の特典は、“積載荷重”・・・解り易く言うと建物に乗る“荷物”の重さです・・・床面
積当たりの重さを法律で決めているのですが・・・駐車場ですから“荷物”が結構重
いんです

構造計算は、地震時に建物が壊れない事を前提に計算されますが、“地震力”(地
震時に建物を横から動かす力)は、建物自体の重さと、この積載荷重の合計に
“0.2”を掛けた力を想定しますから、この積載荷重が小さいと、地震力は小さくな
り、結果、構造メンバーは小さくなり、大きなコストダウンに繋がります

従来工法の駐車場の積載荷重は、550キロ/㎡
   認定式駐車場の積載荷重は、300キロ/㎡

次の特典は
従来工法では、鉄骨構造に“耐火被覆”といって、火災時に、円滑な避難経路が確
保されるように、不燃材料で、構造体を覆う事を要求されますが、認定品は必要有
りません

・・・コストへの影響力が極めて大きい“消火設備の簡略化”と“積載荷重の低減”
と“耐火被覆の省略”の恩恵は極めて大きい

・・・大変喜ばしく、結構な商品だと思いますが・・・
とても不思議な事は、認定品と言っても、何ら特殊な構造をしている訳でも、特殊
な材料・設備・備品・特許が有る訳でも有りません
したがって、認定品と寸分違わない建物を作ることは専門家なら誰でも可能です

しかし全く同じ物を設計しても、この工業会に属さない企業の、認定を受けていな
い製品には上記の特典は与えられません

当初、簡易式の平屋から始まったこの認定駐車場は、2階建・3階建・4階建・5階
建と、商品を拡大し、用途も駐車場限定だったのが、
最近は1階に店舗を入れる事も可能になり、
更に規格品だと思っていたら“個別認定”なる手続きで、プランも高さも、自由な商
品まで登場し、一般建築の仲間入りを果しつつあります

国土面積が狭く、地価の高い日本では、郊外の商業施設には、必需品化し出し、こ
の“認定品駐車場”は、巨大マーケットに成長しつつあります

・・・・しかし・・・・しかし・・・
(正義心の強い・理屈っぽい)私には、どこか釈然としない思いが有ります・・・
メーカーさんからは、大学教授に理論をお願いしたり
実物の”燃焼実験”等の大きな投資で獲得した認定とは聞いていますが・・・

何故、建築基準法に抵触する建築が可能なのか・・・??
何故、認定工法を解放しないのか・・・??
もしかしたら・・・“天下り官僚”が・・・・・でしょうか・・・???

しかし・・・・・つまらない詮索は止めた方が良いかな・・・
折角、ゼネコンの強い圧力に屈しない大きな建築マーケットが出来、そのマーケッ
トで、多くの企業・社員さんが生計を立てているのだから・・・
ガンバレ立駐メーカー!!
と締めくくろう・・・

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